風まち通信

国内を旅して出会った町並みや建築、そして建築家の人たちのことなどをお伝えしていきたいと思います

2017-10

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建築家訪問記-福島の嶋影健一さん-

  LOHASな家
  001佐藤邸-400-265
 
         D060406佐藤邸001-400265

     嶋影さんとは、もう20年以上の付合いになる。
    静岡の建築家 ・一ノ瀬武史さんとはそれ以前からの交友で、 嶋影さん
    はその一ノ瀬さんの縁者である。 最初会った時の印象は温厚な素朴さ
    の滲む人柄だと思った。 作品も吉村順三さん風の品の良い佳作が多く、
    その幾つかを撮らせていただき、それは雑誌「住宅建築」に掲載された。
      それ以来、時折作品を撮りに郡山に呼んでくれて、阿部直人さんなど
    の建築家も紹介してくれたり、 私のスライド講演会を企画してくれたり、
     お世話になった。 最初穏やかと思っていたのだが、付き合いが深くなる
    に連れ、 あまり穏やかではなく、むしろ非常に熱い人だということが判っ
    てきた。 建築界と行政に有りがちな談合的な気配はもとより、 入札など
    にも疑問を挺する正義感があり、 それには好感が持てるし、 これからの
    建築に対してのビジョンなどを熱く語る若々しさは驚くほどである。
      作品は、 デザイン力があるにも関わらず、 本人の中では右往左往し、
    ちヾに心乱れるらしく、 ある時期は 「なんじゃ、これは??」と思うものも
    あった。 最近はそんなこともなくなったが、 デザイン的切れ味は昔ほどで
    はない。建築はデザインだけで成立しているわけではないから、そう気に
    することもなく、 彼なりのコンセプトがあって、 納得した作品創りができて
    いれば良いと思う。
      しばらく彼に会わないと、彼の福島弁を聞きたくなるのだが、このところ
    忙しいのか、 こちらのことなどどうでも良いらしく、 先頃も郡山に行った時
    に声をかけたが振られた。


       :宮本和義


    作品の紹介
     地産地消を考えて、 材料は地元の杉と土壁を採用。特に床材には厚
    さ40ミリの杉板が使われている。 このことで下地材と工法を省くことが
    出来ている。 暖房と夏の湯採りにはOMソーラーを採用しエネルギー循
    環が行われている。  また、暮らしの継続性を考慮し車庫には屋根をか
    けて玄関までをスロープとし外部と内部が段差なく繋がれている。
      内部は塗り壁と杉板でつくられ、その空間に身を置けば、 ゆるりと自
    分が開放されて穏やかになってゆくのが感じられる住宅である。 
       :atelier M5/Ki
 

    嶋影健一さんの事務所     (有 )建築工房   福島県郡山市開成   




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建築家訪問記 -東京の岸 成行さん-

    千歳船橋の集合住宅
     浦上邸01・千歳船橋080712

          浦上邸06・千歳船橋0807

      
        岸さんに初めて会ったのは、いつどこでだったか覚えていない。先頃、
       彼が神楽坂のアユミギャラリーで建築の個展をした。その時、見に来てく
       ださい・・と案内を頂いたので伺った。 彼の建築に対する姿勢が良く現れ
       た展覧会だった。彼の顔をみて、ああ、貴方が岸さん・・と思い出した。
       全く記憶になかったわけではない、似た人と混同していて輪郭が決定で
       きなかっただけである。失礼とは思うが、いい加減な自分には珍しくもな
       いことである。
        岸さんは、きちんとした温厚な人柄だが堅苦しい人ではない。つまり
       丁度良い按配の心地良い人なのである。計画性もあるようで、成り行き
       は名前文字だけらしい。小田急線・千歳船橋にある「Uさんの家」を拝見
       した。この家は、僕の知人でもある写真家・野口毅さんの写真で見てい
       たが、写真は写真家の視点と思いであって、現物には遠いことがある。
       RC打放しの集合住宅+オーナー邸、ドラマティックなシーンもある心地
       良い建物だった。 岸さんと事務所の若い男女2人の所員が先着してい
       た。オーナーのUさん御夫妻がとても楽しく温かい方で、岸さんの温厚さ
       と合わせると、さぞ楽し家創りであったろうと想像された。
        良質な人同士が繋がるのは必然的なことで、悪人同士も同様である。
       良質と悪質が繋がるとロクなことにならない。 2人の若い所員も良質だが、
       これから岸さんに学ぶ大切な事は、建築の技術などはなく、人との良質な
       人間関係を構築していく岸さんの姿であろう。

         :宮本和義


      作品の紹介

       この地に暮らして50年になるむクライアントの3代目の住宅である。
       高齢化した両親との2世帯分の住宅に賃貸住宅が併設されている。
       街並と、これまでの家族の時間とこれからの時間を考え、クライント
       住宅の庭には以前からのある植栽が出来る限り残され、全面道路
       には新たに欅が6本植栽されている。 植栽の緑と共に町並みに一
       層とけ込んでゆくこれからがまた楽しみである。 また格子状に積ま
       れた塀を通して全面道路からも庭の緑の気配が感じられるように工
       されている。住宅部分内部は階段アプローチが程良く抑制され吹き
       抜けになっていて、光の演出と相まって劇的な空間を形成している。

         :atelier M5/Ki

       岸成行さんの事務所    岸総合計画研究所     東京都文京区音羽
        連絡先(PHONE):03-3942-1340

建築家訪問記 -秋田の鈴木悟さん-

  田沢湖の家

  伊藤邸04・田沢湖070615-400-265

         伊藤邸09・田沢湖070615-280-265


    友人に南雄三さんという建築評論家らしい人がいる。・・らしいという
   のは、正体を未だに掴めないでいる所為である。正式な職業を知らな
   くても困ることはない。何者であっても仲良く生きていければ良い。職
   業は人柄を保証しない。鈴木さんは、その南さんの知人である。初対
   面の後、数十日ほど過ぎた頃、 「 秋田に来て、スライド講演して、写
   真も撮ってくれませんか?」 とお誘いがあった。秋田は遠いので滅多
   に行けないから、ワクワクと喜んで引き受けた。秋田に限らず、どこか
   へ行けるとなると無条件に嬉しい。

     鈴木さんは、秋田の世界遺産で知られる白神山地に近い、のどか
   な町で設計などの仕事をしている。建築家と呼ばれるのをあまり好ま
   ないらしい。 好感の持てる少しワイルドなオジサンといった印象であ
   る。作品は、古い建築を活かしたもの「再築」という視点で温故知新
   的住宅などを多く手掛けている。何軒か撮ったが、どれもそれぞれに
   見所があった。中でも私の好きなのは田沢湖の週末住宅で、オーナー
   とそのお嬢さんも素的だった。全く同じ家でも、緑の中に建つものと市
   街地にあるものとでは、違って見える。田沢湖の家は、環境も人も整
   っており、鈴木さんが気持ち良く仕事をしたであろう痕跡を感じた。
   その家は、雑誌・住宅建築0807号に掲載された。秋田には知人が
   いなかったから、南さんのおかげで鈴木さんに会えた。春には山菜を
   沢山採って送ってくれた。秋田が急に近くなったように感じる。
   また「遊びを兼ねてきませんか・・」と鈴木さんが招いてくれないかなぁ・・
   などと虫の良い期待をしながら、東北の青空を思い描いている。


    :宮本和義
 


   作品の紹介
    建て替えでもなくリフォームでもない「再築」の家である。この家は
   雪を知らない者にとっては不思議に思えるが屋根は折板葺きのフラ
   ットルーフで雪おろしの心配が無い。そしてオール電化と高気密・高
   断熱で高熱費を抑えながら寒さ厳しい土地にあるこの家のどこに居
   ても快適に過ごせる全館暖房が再築によって実現されている。外観
   からは全く新しく見える家の室内は、以前の家の6畳と8畳の間を新
   しく作られた大空間で包み込んでいる。前の暮らしの部材と室礼を残
   しながら設備や機能は今の暮らしに合わせて作られており、家の思
   いは父から子供へそして孫へと受け継がれながら、新たな暮らしが
   実現されている。


    :atelier M5/Ki

    鈴木さんの事務所    Be Well (ベル)  秋田県山本郡八峰町八森
                                    鈴木悟satoru-100-280

   
   

建築家訪問記-逗子の白鳥健二さん-

  白鳥邸
  白鳥邸02・逗子市0802


       白鳥邸06・逗子市0802


   白鳥さんと知り合って、もう20年もたつだろうか。ちょいちょい会うという
  わけではない。白鳥さんは、先頃亡くなられた黒川紀章さんの事務所に
  在籍されていた。作風は異なるが、華やかさのある点では共通している。
  随分前に、新潟の日本海近くをウロウロしていて、 浜近い所で洒落たレ
  ストランを見つけて入った。建物に興味を持ったからである。店員に設計
  者を訊くとと白鳥さんだった。帰京して彼に電話して、再度新潟に行って
  写真を撮り雑誌「商店建築」に掲載された。彼の華やかさのある作風に
  手招きされ、魅了されたのである。
    近年、白鳥さんは神奈川県逗子の海の見える高台に自邸を造った。
  それはTV、雑誌でも紹介された。一度拝見したいと思っていた。
  今年2月、彼から他事の電話があった。 それをきっかけに訪ねた。家は
  かなりの細い急坂の上にあった。安物の私の車はゼイゼイと息切れしな
  がら登った。傾斜地にたつ白鳥さんの個性が溢れる家は、見晴らし千両
  だった。
   白鳥さんは建築家でもあり、画家でもある。画集も出している。 個展に
  も何度か伺った。絵を描いている時と建築を考えている時とどちらが楽し
  いかは訊かなかったが、絵の話をしている時は輝いて見える。優しく温か
  い人柄、60歳を過ぎても少年のような白鳥さんが好きである。 爽やかな
  奥さんは、彼にも増して好きである。
   
     :宮本和義

  写真の作品紹介
    急傾地に建つ地下1階地上2階建てのアトリエを持つ住宅。地下階は
   RC造で人工地盤を兼ねていて、地上階を木造として軽量化された空間
   が広がる。 下から地上へと移動して行くと、その先には息をのむほどの
   眺望。 扇状で緩やかに弧を描く敷地形状に沿うようなヴォールト棟から
   は下界が望め、要の部分にあたるアトリウムからは山の木々の揺らぎと
   訪れる小動物を間近に見る。 階ごとに変化ある内部空間に包まれなが
   ら外部環境を体感することが出来る。複雑で急勾配と一般的に言われる
   敷地条件としては良いとは言えないが、建築の条件とは建てやすさやア
   プローチのし易さだけではかれるものでは無いことを理解する家である。
   そ して、時間経過に沿いながら少しづつ手を加え暮らしへの望みを具現
   化し続けることを楽しめる家である。
   
    :atelierM5/Ki


     〈お知らせ〉
       白鳥さんは阪神淡路大震災を建築家として見ておかなくてはなら
      ないと思い、地震発生の3ケ月後に現地に行き、その現状をスケッ
      チしたとのことです。 そのスケッチが日刊建設工業新聞に、5・13
      号から半年間に亘って連載されることになりました。



    白鳥さんの事務所   アトリエCOSMOS    神奈川県逗子市 
                                 白鳥健二さん-460-120・80214




 

建築家訪問記-山形の小松正和さん-

  かどちの家
  小松邸01・上山市070618-400-260


        小松邸06・上山市0706-300-260


   以前にこの訪問記で紹介した岡田宗一さんは、長井市に住む建築家・
  二宮正一さんの友人だった。今回の小松さんはその岡田さんの友人で、
  二宮さん→岡田さん→小松さんの順と若くなるから、建築家として先輩
  後輩の仲でもある。
   小松さんに初めて会った時、もの静かな感じであった。この感じが変わ
  る人と変わらない人がいる。変わる人は、ちょおと人見知りするだけで実
  はそう静かではない人である。小松さんは変わらないであろうと思えた。
  丁度、私の「ラ・トゥーレット修道院」の本ができたので差し上げたら、
  「行きました!」と嬉しそうに言った。
   そんなことで妙に親近感が湧いたし、私は建築を多く見て体験した建築
  家を信用する傾向がある。見ることは己れの自己基準や嗜好を明確にし、
  大迷走はしない自分ができる。
  数千という建物を見てきて私はそう思うのである。
   上山の彼の作品は、その人柄通り静かでシンプルで、少しの洒落気が
  あった。玄関と和室が好ましかった。脆弱な感じはないし、悪趣味なデコ
  ラティヴさなど微塵もなかった。もっとも岡田さんがそん建築家を友とする
  わけはない。小松さんは独立して間もない若い建築家だけれど、有望な
  建築家の一人である。良質な佳作をみちのくで静かに創り続けて欲しい
  ものである。
   生きているうちにもう一度彼と彼の作品に会いたいものである


    :宮本和義

 写真の作品紹介
   ゆったりと時間が流れる田舎の記憶を継承しながら、新しいくつろぎの場、
  四季を存分に感じられる場、土地のもつコミュニケーションの場を新しい形
  でつくることをコンセプトとして家である。
   道路との関係、プライバシーや採光を考えて、中庭を中心とした平面構 
  成されている。中庭に面して陽だまりのテラス(縁側)、リビングが一体と
  なっている。中庭は閉鎖しておらず、2方向は木製のルーバーで外を見通
  し、さらに一部は外との繋がりをもたせている。また、道路に面する部分に
  塀は設けられいないのは、駐車スペースを確保しながら、道と一体となっ
  た近所のコミュニケーションの場を提供するためである。
  この家は静かに佇みながらこの地のよさを受け継ぎ、新たな記憶の場とな
  るであろう。
   
    :atelier M5

  
  小松正和さんの事務所    小松建築工房    山形県上山市金生西
  連絡先(tel) : 023-676-7044
  
                               小松正和顔写真0708-100-260




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