2007/11/28
建築家訪問記-大阪の森本京治さん-
N house

森本さんに会って7年ほどになる。最初は取材で御夫妻に会った。体も顔も丸い、
目も丸い、人柄も丸い、丸だけで構成された人。だから最初の印象は「丸いな~」
人柄はすこぶる健全、実直。仲良くなって、海外も旅した。もの創りに対して頑固
なところもあるが、それはモノ創り人には当然で、施主のわがまま、思いつきをい
ちいち聞き入れていたら、良い結果は待っていない。建築家に任せきる施主ほど
良い家を手にできる。ただしそれは良質な建築家を選ぶ目を持つことである。良質
な建築家とは何か?それは良質な人間性と豊な能力を持つ人である。間違っても、
構造偽装建築で世間を騒がせた姉歯元建築士やデベロッパーなどの類いの悪質、
低俗な人間を選択しないことである。安い!安い!ばかりを連呼する建売屋や、
「設計料はサービスです」などという工務店の類も要注意である。設計という仕事
は、サービスでできるような軽い仕事ではない。人の命や財産を左右する仕事で
ある。彼の作品を拝見し、多くの会話を交わす度に、森本さんへの信頼感は増す
ばかりであった。こういう人に頼めば、施主は臍を噛まない済むと思えた。作品も
建築雑誌社に持ち込めるレベルの高さである。

写真の作品紹介 「N house」
太陽光をいつも享受でき、明るく優しい内部空間がである。北向き斜面のに建
っており、太陽光をリビングの大きな吹抜上部の窓から取り入れている。シナ
合板に白ペンキを拭き取って使い、淡い白色の下に木目が見えるナチュラル
でニュートラルな優しい感じにとなっている。またそれは、壁や扉や造り付け
家具は存在を曖昧にし、愛着のある手持ち家具と住まう人を表舞台に立たせ
ているようである。
新築時にはコンクリートのままであったテラスもデッキテラスとなり、土のまま
であった庭にも、雑木が植えられクライアントが端正込めた庭には、鳥達が餌
をついばみにくるまでになっている。

森本京治さんの事務所 M4建築設計室