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昔町百景-集落を歩く- 「第11回」

「平田宿と平松宿」

 参宮の賑わいを遙かに思う街道     三重県伊賀市平田・平松(旧大山田村)   平田宿13・伊賀市0710-400-260

 
    伊賀街道は、伊勢・伊賀二国の大名藤堂高虎の移封後、津(本城)と
  上野(支城)を結ぶ重要な官道として整備された街道で、上野経由で伊勢
  に向かう参宮客だけでなく、伊賀・伊勢両国の経済・生活の大動脈として
  の役割も担った。その宿場の名残を見せる平田宿は、平松宿と同じく藤堂
  藩が公用荷物の運搬のため領内の主要街道に設けた宿場で、上柘植・
  佐那具・島ヶ原・簗瀬・阿保・上野町とともに伊賀八宿と呼ばれた大山田村
  の宿場。
   宿場の中ほどに旅館「梅屋」があり、往時を忍ばせている。梅屋は「まちか
  ど博物館」にも指定されており、貴重な文献などが残されている。町並みは
  良く残っているとはいえないが、風情は保たれているが、観光活性化の様
  子は皆無である。その分、この風情は自然に保たれそうな気がする。
   平松宿は、平田から車で15分ほどの所で、伊賀八宿の一つに上阿波宿
  (元町宿)ともいわれる宿場。当時の街道沿いは、旅籠「いたや」んも屋根や
  軒下には、七福神や虎などををかたどった瓦の作り物が残る。これを見るだ
  けでも訪ねる価値があり、数は少ないが伊賀地方独特の家並を見ることが
  できる。
   平田も平松も電柱、電線が多くて見苦しく、町並みの良さを著しく損ねてい
  て惜しまれる。
 

    :atelier M5/Ki
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Kazuさんの近代建築スケッチブック -第9回-

   北室医院  
  北室医院


   □ 北室医院          徳島県美馬郡半田町 
      1922(T11)        設計・施工/不祥 
         
        木造の素敵な医院は、街道から少し高い位置にあった。声をかけたが
       応答がない。。昼の休診時間のようだった。
       常緑樹に冬の陽射しがあり夏日のような強い影を落としていたが、頬を
       冷たい弱い早春の風が通過していた。
    


   

昔町百景-集落を歩く- 「勝山」 第10回

 「勝山」

    簾揺れる緑蔭の城下町       岡山県真庭郡勝山町
  勝山


     勝山に着くと、こんな山間にこんな素敵な佇まいの町があったのか、
     と嬉しくなるような所である。勝山は、古くから旭川を利して岡山に
     物資を運ぶ舟運の町であった。江戸時代には、三浦藩2万5千石の
     城下町として栄えた。高台にある旦地域は武家屋敷地区で、「武家
     屋敷館(旧渡辺家)」などあって城下町時代の名残り見えるが、町
     の見所は旭川沿いの商家が軒を連ねている辺りで、白壁や連子窓
     が美しい。
     町の北側に酒蔵の辻本店がある。ここの一連の建物郡は他を圧す
     る見事なもので、特筆すべきは海鼠壁の土蔵である。蔵には見事な
     竜虎の鏝絵がある。新潟県長岡市の「サフラン酒の蔵」に次ぐ見事
     さに見えた。かつて鏝絵で知られる大分県の安心院町を歩き回った
     が、これほど見事なものに出会わなかった。
     町の家々には、モダンなデザインの暖簾がかかっている。町おこし
     の企画かと思えるが、それが集落全体を明るく洒落たものにしてい
     て、この町を忘れないものにしている。旭川の対岸からの眺めも良く、
     大観光地と化した倉敷あたりでは味わえない豊かな旅情を与えてく
     れる町である。


     atelier M5/Ki     

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