風まち通信

国内を旅して出会った町並みや建築、そして建築家の人たちのことなどをお伝えしていきたいと思います

2008-07

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建築家訪問記 -東京の岸 成行さん-

    千歳船橋の集合住宅
     浦上邸01・千歳船橋080712

          浦上邸06・千歳船橋0807

      
        岸さんに初めて会ったのは、いつどこでだったか覚えていない。先頃、
       彼が神楽坂のアユミギャラリーで建築の個展をした。その時、見に来てく
       ださい・・と案内を頂いたので伺った。 彼の建築に対する姿勢が良く現れ
       た展覧会だった。彼の顔をみて、ああ、貴方が岸さん・・と思い出した。
       全く記憶になかったわけではない、似た人と混同していて輪郭が決定で
       きなかっただけである。失礼とは思うが、いい加減な自分には珍しくもな
       いことである。
        岸さんは、きちんとした温厚な人柄だが堅苦しい人ではない。つまり
       丁度良い按配の心地良い人なのである。計画性もあるようで、成り行き
       は名前文字だけらしい。小田急線・千歳船橋にある「Uさんの家」を拝見
       した。この家は、僕の知人でもある写真家・野口毅さんの写真で見てい
       たが、写真は写真家の視点と思いであって、現物には遠いことがある。
       RC打放しの集合住宅+オーナー邸、ドラマティックなシーンもある心地
       良い建物だった。 岸さんと事務所の若い男女2人の所員が先着してい
       た。オーナーのUさん御夫妻がとても楽しく温かい方で、岸さんの温厚さ
       と合わせると、さぞ楽し家創りであったろうと想像された。
        良質な人同士が繋がるのは必然的なことで、悪人同士も同様である。
       良質と悪質が繋がるとロクなことにならない。 2人の若い所員も良質だが、
       これから岸さんに学ぶ大切な事は、建築の技術などはなく、人との良質な
       人間関係を構築していく岸さんの姿であろう。

         :宮本和義


      作品の紹介

       この地に暮らして50年になるむクライアントの3代目の住宅である。
       高齢化した両親との2世帯分の住宅に賃貸住宅が併設されている。
       街並と、これまでの家族の時間とこれからの時間を考え、クライント
       住宅の庭には以前からのある植栽が出来る限り残され、全面道路
       には新たに欅が6本植栽されている。 植栽の緑と共に町並みに一
       層とけ込んでゆくこれからがまた楽しみである。 また格子状に積ま
       れた塀を通して全面道路からも庭の緑の気配が感じられるように工
       されている。住宅部分内部は階段アプローチが程良く抑制され吹き
       抜けになっていて、光の演出と相まって劇的な空間を形成している。

         :atelier M5/Ki

       岸成行さんの事務所    岸総合計画研究所     東京都文京区音羽
        連絡先(PHONE):03-3942-1340
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Kazuさんの近代建築スケッチブック -第13回-

  知事公館(旧三井クラブ)

  知事公館(旧三井クラブ)・札幌0805-450-265



     □知事公館(旧三井クラブ)     札幌市中央区
        1936年(S11)           設計/不祥  施工/大林組

        広い敷地の中に、ハーフティンバーの洋館が冬の斜光を浴びていた。
      良く知られた建物だし、とくに好きというわけではないが、重い冬空から
      俄かに降りたった強い光の中の家の記憶は、昨日のようである。





一樹一草

 チェコのブルノ市にあるチューゲントハット邸は2001年世界遺産にも指定された
20世紀モダニズムの巨匠ミース・ファン・デル・ローエ設計の住宅。そのチューゲ
ントハット邸の本 「Villa Tugendhat」 バナナブックス ワールドアーキテクチ
ャーシリーズから発刊されました。写真と分かりやすい文章で 「Less is more」
を感じられる本です。
手に取り易い大きさでバッグに入れてもスッキリ納まるA5判 で¥1400-です 。

                  チューゲントハット表紙

建築家訪問記 -秋田の鈴木悟さん-

  田沢湖の家

  伊藤邸04・田沢湖070615-400-265

         伊藤邸09・田沢湖070615-280-265


    友人に南雄三さんという建築評論家らしい人がいる。・・らしいという
   のは、正体を未だに掴めないでいる所為である。正式な職業を知らな
   くても困ることはない。何者であっても仲良く生きていければ良い。職
   業は人柄を保証しない。鈴木さんは、その南さんの知人である。初対
   面の後、数十日ほど過ぎた頃、 「 秋田に来て、スライド講演して、写
   真も撮ってくれませんか?」 とお誘いがあった。秋田は遠いので滅多
   に行けないから、ワクワクと喜んで引き受けた。秋田に限らず、どこか
   へ行けるとなると無条件に嬉しい。

     鈴木さんは、秋田の世界遺産で知られる白神山地に近い、のどか
   な町で設計などの仕事をしている。建築家と呼ばれるのをあまり好ま
   ないらしい。 好感の持てる少しワイルドなオジサンといった印象であ
   る。作品は、古い建築を活かしたもの「再築」という視点で温故知新
   的住宅などを多く手掛けている。何軒か撮ったが、どれもそれぞれに
   見所があった。中でも私の好きなのは田沢湖の週末住宅で、オーナー
   とそのお嬢さんも素的だった。全く同じ家でも、緑の中に建つものと市
   街地にあるものとでは、違って見える。田沢湖の家は、環境も人も整
   っており、鈴木さんが気持ち良く仕事をしたであろう痕跡を感じた。
   その家は、雑誌・住宅建築0807号に掲載された。秋田には知人が
   いなかったから、南さんのおかげで鈴木さんに会えた。春には山菜を
   沢山採って送ってくれた。秋田が急に近くなったように感じる。
   また「遊びを兼ねてきませんか・・」と鈴木さんが招いてくれないかなぁ・・
   などと虫の良い期待をしながら、東北の青空を思い描いている。


    :宮本和義
 


   作品の紹介
    建て替えでもなくリフォームでもない「再築」の家である。この家は
   雪を知らない者にとっては不思議に思えるが屋根は折板葺きのフラ
   ットルーフで雪おろしの心配が無い。そしてオール電化と高気密・高
   断熱で高熱費を抑えながら寒さ厳しい土地にあるこの家のどこに居
   ても快適に過ごせる全館暖房が再築によって実現されている。外観
   からは全く新しく見える家の室内は、以前の家の6畳と8畳の間を新
   しく作られた大空間で包み込んでいる。前の暮らしの部材と室礼を残
   しながら設備や機能は今の暮らしに合わせて作られており、家の思
   いは父から子供へそして孫へと受け継がれながら、新たな暮らしが
   実現されている。


    :atelier M5/Ki

    鈴木さんの事務所    Be Well (ベル)  秋田県山本郡八峰町八森
                                    鈴木悟satoru-100-280

   
   

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