2021/10/31
昔町百景 -第26回-
片雲の風に誘われて -異形の旅へ-
「男鹿」 秋田県男鹿市
今朝は蒼空である。三吉大神(みよしおおがみ)に逢いに期待を胸に男鹿に向かう。
三吉大神は大平山の山岳信仰が生んだ神といわれる。
大平山は山頂から陽が昇ることもある神格化された山のため、
秋田独自ともいえる大平山信仰「三吉大神」が生まれたと考えられている。
三吉大神像は神社の小屋にいた。厳めしくもコミカルで姿も様々である。
近くの神社にいた狛犬ものどかな顔で楽しかった。
三吉さんや狛犬に会ってから山上の神社「五社堂」に向かう。
五社堂へは鬼が積んだという乱積みの999の石段を登らねばならない。
老体に鞭打って汗かき登る。
さわさわと木々を揺らす柔らかい風があって濡れた肌に心地よい。
登り切った眼前に、樹々を背に横一列に並ぶ見事な五つの社殿が降る光に輝いていた。
渡部神社 / 男鹿市払戸
五社堂 / 男鹿市
写真・文 宮本和義