2021/12/26
昔町百景 -第30回-
片雲の風に誘われて -異形の旅へ-
「河北の火番小屋」 山形県東置賜郡河北町
河北の火番小屋 / 河北町
★国登録文化財=安部権内家の屋形
街道沿いにある安部家を囲む板塀に隅にたっている。
安部家は宝暦7年(1757)頃に村内八兵衛家から分家独立し、四代・権内(ごんない)長秀の文化年間頃(1810頃)から頭角を現し明治中期頃に最盛期を迎えた豪農である。
主屋の竣工は安政元年(1854/江戸末期)である。
したがって火番小屋も同時期と考えられるが詳細は不明。
火番小屋は人の出入り等を見る見張り小屋を兼ねる方一間程のものだが、現存遺構が少なく甚だ貴重なものである。
下ののぞき窓は人間確認用で上は火番用だろう。
街道、屋敷に人影なく寂しい寒村景色があった。
写真・文 宮本和義