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昔町百景 -第30回-

片雲の風に誘われて   -異形の旅へ-

「河北の火番小屋」  山形県東置賜郡河北町


河北の火番小屋
河北の火番小屋 / 河北町
★国登録文化財=安部権内家の屋形 



街道沿いにある安部家を囲む板塀に隅にたっている。
安部家は宝暦7年(1757)頃に村内八兵衛家から分家独立し、四代・権内(ごんない)長秀の文化年間頃(1810頃)から頭角を現し明治中期頃に最盛期を迎えた豪農である。
主屋の竣工は安政元年(1854/江戸末期)である。
したがって火番小屋も同時期と考えられるが詳細は不明。

火番小屋は人の出入り等を見る見張り小屋を兼ねる方一間程のものだが、現存遺構が少なく甚だ貴重なものである。
下ののぞき窓は人間確認用で上は火番用だろう。
街道、屋敷に人影なく寂しい寒村景色があった。



写真・文  宮本和義

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昔町百景 -第29回-

片雲の風に誘われて -異形の旅へ-

「むかさり絵馬」  山形県東根市・天童市



mukasarie・東根市黒鳥観音1109_-_コピー_convert_20211205180425黒鳥観音 / 東根市 


山形や岩手には、古くから伝わる「冥婚」という不思議な風習がある。
未婚のまま若くしてこ世を去ったわが子を憐れみ、親たちが一枚の婚礼写真のような絵額を寺などに奉納する。
これを「ムカサリ絵馬」と呼ぶ。

ムカサリとは婚礼の意で、「迎える、去る」が語源という。
絵馬は婚礼衣装の男女が並んで描かれ、端に人物の名前と享年などが記されている。
伴侶を得られなかった者があの世で寂しくないようにとの親族の思いやりの供養である。
本来は親族自ら絵馬を描いたが、いつからか専門に描くムカサリ絵師が現れ、その後は絵師に依頼されるようになったという。


mukasariema・若松寺0405_convert_20211205180534若松寺 / 天童市



写真・文 宮本和義

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