2022/02/27
昔町百景 -第34回-
片雲の風に誘われて -異形の旅へ-
「 鮭立磨崖仏 」 福島県大沼郡金山町・鮭立地区
会津地方唯一の磨崖群像である。
この磨崖仏は天明の大飢饉(1782~1788/江戸時代)による悲惨な被害状況を見て止住していた修験者・法印宥尊が発願し五穀豊穣と疫病撲滅を祈って制作に着手。
後を継いだ僧・法印賢誉が完成させたといわれる。
向かって右側が古く、風化が進んでいるが残った色から完成当時の美しさが偲ばれる。
第三期層凝灰石に彫られている51体の尊像の像高は約16cm~60cmの厚肉彫りである。
奥会津の高台に潜むわくわくする魅力的な摩崖仏である。
写真・文 宮本和義