2022/03/27
昔町百景 -第36回-
片雲の風に誘われて ー異形の旅へー
「奇怪なる羅漢-江戸崎の五百羅漢-」 茨城県稲敷市江戸崎町根宿
羅漢山は「羅漢山の夕日」として江戸崎八景に数えられる景勝地である。
ここの五百羅漢は豊島和七という人が盲目の兄の開眼祈祷を念じて、当時の住職と世話人の協力を得て完成させたもので、安永9年(1780)の発願から文化元年(1804)間まで24年を要した。
現存する像は493体で、石工の名前があるものは江戸・伊豆屋藤七と記された一体のみである。
全体には凡庸な容貌だが、中には奇怪ともいえる貌があって興味深い。
関東の五百羅漢では一番は埼玉県寄居町・少林寺、2番がここ、3番が有名な川越・喜多院が筆者の魅力順位である。
写真・文 宮本和義