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昔町百景 -第40回-

片雲の風に誘われて   -異形への旅-

「香車の駒群」    栃木県日光市三内・輪王寺開山堂の隣

香車の駒群・日光市山内1007_300   輪王寺開山堂の隣「香車堂」


一間社流造りの朱塗りの堂の前面には石の鳥居ある。
これが「産の宮」で、堂前には将棋の駒「香車(きょうす)」が数多く積まれている別名「香車堂」。
妊娠した女性がこの堂にお参りし堂前の香車の駒を借りてきて祈願すると安産できるという。

ご存知のように香車は直進のしかできない駒なので、まっしぐらに安産できることを叶えてくれる神様として信仰されたのだろう。

そして安産できた暁には、御礼として新しく駒を作って借りてきた駒とともに返す。
したがって駒の数は増えてしまった。

実はこの堂の御本尊は楊柳観音(ようりゅうかんのん)で、正式には「観音堂」である。



写真・文 宮本和義

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昔町百景 -第39回-

片風の風に誘われて  ー異形の旅へー


「 石の集落 」  栃木県宇都宮市徳次郎西根

石の集落・宇都宮市031_300栃木県宇都宮市徳次郎西根


現在の西根は20戸ほどの小集落で、石の家が並ばなければ特別意識するような景観ではなく、また、街道から少し下がった樹木などに覆われた位置にあるため、多くの車や人は気づかずに通過してしまう。
建物の多くは蔵や納屋だが、中には母屋が大谷石の家もある。

この材料の石は、集落背後の男抱山麓から切り出されたもので徳次郎石とも呼ばれる。

集落に石造りが現われたのは明治に入ってのことで、当時、集落が大火に見舞われた時に丁度大谷石の流通が盛んになっており、従来の防火建築であった漆喰造り(土蔵造り)より安価で手に入り易い大谷石が使われるようになった。

他には見ない石造民家集落で貴重な遺産として保護すべきであろう。


写真・文 宮本和義



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