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昔町百景 -第53回-

片雲の風に誘われて   -異形の旅へ-


「沢蔵司稲荷の僧」  東京都文京区小石川3丁目


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沢蔵司稲荷の僧  /  東京都文京区小石川3丁目・慈眼院 

造立 寛文9年(1669/江戸中期)


慈眼院は伝通院の別当寺で隣接地にある。

昔、伝通院の学寮僧に沢蔵司という僧がいて僅か3年で宗義を極めた。

或る日、学寮長の夢に現れて「・・長く伝通院を守護して恩に報いる」と告げて消えた。

そこで伝通院の住職は境内に沢蔵司稲荷を祀ったという。

この像は錫杖を持っているので地蔵のようだが沢蔵司ではないかと思えるが、

それはともかく、この思い切った造作に拍手喝采の快作である。


写真・文 宮本和義

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昔町百景 -第52回-

片雲の風に誘われて    -異形の旅へ-


「東京の馬頭観音二題」   練馬区早宮 ・ 板橋区西台


馬頭観音・東京都2211
右: 僧形馬頭 / 練馬区早宮  ★区指定文化財
左: 分去れの馬頭観音 / 板橋区西台



◉ 「僧形馬頭」(写真 右)    練馬区早宮  ★区指定文化財

人身馬頭の珍しい馬頭観音である。

文政6年(1823)造立、施主は三河屋安次郎。

像高44cm。

馬頭観音は馬の神格化から生まれたものといわれ、本来は人身馬頭の姿で馬頭明王と呼ばれる。

日本にはその姿はなく、多分唯一無二の尊像だろう。 

一部破損修繕が見られ惜しまれる。 写真 右



◉「分去れの馬頭観音」(写真 左)   板橋区西台

この三面馬頭観音は分去れ(二股分岐)に小堂内にいる。

堂内のためか寛政2年(1790/江戸後期)造立にも拘わらず非常に綺麗である。

都内の三面馬頭観音は少なく、彩色となるとさらに稀である。

憤怒の表情だが類型的ではなく、極めて個性的溢れる顔である。




写真・文  宮本和義

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