2022/11/20
昔町百景 -第53回-
片雲の風に誘われて -異形の旅へ-
「沢蔵司稲荷の僧」 東京都文京区小石川3丁目
沢蔵司稲荷の僧 / 東京都文京区小石川3丁目・慈眼院
造立 寛文9年(1669/江戸中期)
慈眼院は伝通院の別当寺で隣接地にある。
昔、伝通院の学寮僧に沢蔵司という僧がいて僅か3年で宗義を極めた。
或る日、学寮長の夢に現れて「・・長く伝通院を守護して恩に報いる」と告げて消えた。
そこで伝通院の住職は境内に沢蔵司稲荷を祀ったという。
この像は錫杖を持っているので地蔵のようだが沢蔵司ではないかと思えるが、
それはともかく、この思い切った造作に拍手喝采の快作である。
写真・文 宮本和義