2023/01/29
昔町百景 -第58回-
片雲の風に誘われて -異形の旅へ-
「 越後のショウキ 」 新潟県阿賀野町
ショウキは五穀豊穣や無病息災を願い、大きな藁人形を集落に祀る伝統行事「正鬼祭り」に因む大人形で、阿賀野川流域の東蒲原郡阿賀町の五集落(平瀬・夏渡戸・武須沢入・大牧・熊渡)と新発田市市浦の集落に伝わっている。
地域によって「正鬼祭り」「鐘馗まつり」などと書き方も変わるが、内容はほぼ同じで製作から奉納までを村人が行う。
ショウキは、高さ、巾共に9尺、槍10尺、大刀5尺5寸、小刀4尺仮5寸を持つ男神である。
凛々しい男根が特徴の人形様である。
大牧集落の「鐘馗まつり」は、人々が自分の体の具合の悪い個所を紙に書いて藁に包み、製作中のショウキの同じ部位に入れて平癒を祈る。
写真・文 宮本和義