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昔町百景-集落を歩く- 「勝山」 第10回

 「勝山」

    簾揺れる緑蔭の城下町       岡山県真庭郡勝山町
  勝山


     勝山に着くと、こんな山間にこんな素敵な佇まいの町があったのか、
     と嬉しくなるような所である。勝山は、古くから旭川を利して岡山に
     物資を運ぶ舟運の町であった。江戸時代には、三浦藩2万5千石の
     城下町として栄えた。高台にある旦地域は武家屋敷地区で、「武家
     屋敷館(旧渡辺家)」などあって城下町時代の名残り見えるが、町
     の見所は旭川沿いの商家が軒を連ねている辺りで、白壁や連子窓
     が美しい。
     町の北側に酒蔵の辻本店がある。ここの一連の建物郡は他を圧す
     る見事なもので、特筆すべきは海鼠壁の土蔵である。蔵には見事な
     竜虎の鏝絵がある。新潟県長岡市の「サフラン酒の蔵」に次ぐ見事
     さに見えた。かつて鏝絵で知られる大分県の安心院町を歩き回った
     が、これほど見事なものに出会わなかった。
     町の家々には、モダンなデザインの暖簾がかかっている。町おこし
     の企画かと思えるが、それが集落全体を明るく洒落たものにしてい
     て、この町を忘れないものにしている。旭川の対岸からの眺めも良く、
     大観光地と化した倉敷あたりでは味わえない豊かな旅情を与えてく
     れる町である。


     atelier M5/Ki     
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