2008/03/26
昔町百景-集落を歩く- 「第11回」
「平田宿と平松宿」参宮の賑わいを遙かに思う街道 三重県伊賀市平田・平松(旧大山田村)

伊賀街道は、伊勢・伊賀二国の大名藤堂高虎の移封後、津(本城)と
上野(支城)を結ぶ重要な官道として整備された街道で、上野経由で伊勢
に向かう参宮客だけでなく、伊賀・伊勢両国の経済・生活の大動脈として
の役割も担った。その宿場の名残を見せる平田宿は、平松宿と同じく藤堂
藩が公用荷物の運搬のため領内の主要街道に設けた宿場で、上柘植・
佐那具・島ヶ原・簗瀬・阿保・上野町とともに伊賀八宿と呼ばれた大山田村
の宿場。
宿場の中ほどに旅館「梅屋」があり、往時を忍ばせている。梅屋は「まちか
ど博物館」にも指定されており、貴重な文献などが残されている。町並みは
良く残っているとはいえないが、風情は保たれているが、観光活性化の様
子は皆無である。その分、この風情は自然に保たれそうな気がする。
平松宿は、平田から車で15分ほどの所で、伊賀八宿の一つに上阿波宿
(元町宿)ともいわれる宿場。当時の街道沿いは、旅籠「いたや」んも屋根や
軒下には、七福神や虎などををかたどった瓦の作り物が残る。これを見るだ
けでも訪ねる価値があり、数は少ないが伊賀地方独特の家並を見ることが
できる。
平田も平松も電柱、電線が多くて見苦しく、町並みの良さを著しく損ねてい
て惜しまれる。

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