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昔町百景 -第61回-

片雲の風に誘われて   -異形の旅へ-


「 雪国の風神 」   新潟県南魚沼郡湯沢町

300_風神・湯沢町熊野神社080714 
雪国の風神  /   新潟県南魚沼郡湯沢町・熊野神社


風神雷神は対神として俵屋宗達の名画などで知られるが、単神としても祀られる。

越後地方では台風などから農作物の被害を防ぎ、疫病に侵入を食い止める守護神として集落の出入口に建てられることが多い。

この風神は神社の石段入口にいる。

鬼の形相の風神が多い中、人間的な顔ですこぶるシンプルデザインの異形の快作である。



写真・文 宮本和義

昔町百景 -第60回-

片雲の風に誘われて   -異形の旅へ-


「 木喰の仁王 」   新潟県長岡市小国町 

300_木喰の仁王・新潟県長岡
木喰の仁王  /  新潟県長岡市小国町・真福寺


木喰上人は文化元年(1804)4月1日から5月20日まで真福寺に滞在した。

山門の仁王像はその時に彫ったもので、阿吽ともに身長8尺(242cm)。

下削りは大工・長谷川松太郎。

木喰87才の傑作。



写真・文 宮本和義

昔町百景 -第59回-

片雲の風に誘われて   -異形の旅へ-


「 穂高の彩色庚申塔 」    長野県安曇野市穂高

300_彩色庚申塔・安曇野市穂高の彩色庚申塔 / 長野県安曇野市穂高


穂高、豊科一帯は双体道祖神で知られこれを巡る観光客が多いが、彩色庚申塔が素晴らしい。

しかし認識が薄く所在地を具体的に教えてもらえにくい。

概ね見当をつけてあとは地元の人に聞くというのが唯一の手だてである。

彩色庚申塔は全国にあるが信州では安曇野や飯田に多く残っている。

若狭や京都などの彩色地蔵と似たもので、子供体の手によって毎年彩色が施されてきたと聞く。

彩色道祖神も同じようなことであろう。

安曇野の道祖神巡りの際に合わせて見るべき価値の高い民間宗教芸術といえる。



写真・文  宮本和義



昔町百景 -第58回-

片雲の風に誘われて  -異形の旅へ-


「 越後のショウキ 」   新潟県阿賀野町

300_ショウキ・新潟県阿賀野町越後のショウキ / 新潟県阿賀野町


ショウキは五穀豊穣や無病息災を願い、大きな藁人形を集落に祀る伝統行事「正鬼祭り」に因む大人形で、阿賀野川流域の東蒲原郡阿賀町の五集落(平瀬・夏渡戸・武須沢入・大牧・熊渡)と新発田市市浦の集落に伝わっている。

地域によって「正鬼祭り」「鐘馗まつり」などと書き方も変わるが、内容はほぼ同じで製作から奉納までを村人が行う。

ショウキは、高さ、巾共に9尺、槍10尺、大刀5尺5寸、小刀4尺仮5寸を持つ男神である。

凛々しい男根が特徴の人形様である。

大牧集落の「鐘馗まつり」は、人々が自分の体の具合の悪い個所を紙に書いて藁に包み、製作中のショウキの同じ部位に入れて平癒を祈る。



写真・文 宮本和義



昔町百景 -第57回-

片雲の風に誘われて   -異形の旅へ-


「 摩利支天二題 」    長野県茅野市

300_摩利支天2212-1
【左】  惣持院 / 長野県茅野市塚原
【右】権現の森 / 長野県茅野市・矢ノ口交差点 


摩利支天は陽炎を神格化したものといわれ実体が捉えられず、傷つかず、隠身で自在
に活躍できることから、日本では武士の守護神として信仰があり、比較的多い彫像である。

写真の二体は数ある中でもユニークな石像でとくに左の惣持院の像が抜群である。

短足、爺顔でメタボぽい猪に乗るやや怪奇ともマンガチックともいえる怪作!

諏訪の万治より見応えがある。

右は権現の森の石像だが、こちらはユニークというより凛々しく美しいといった傑作である。

どちらも造立年は不明だが江戸中期~後期と思われる。



写真・文  宮本和義


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