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昔町百景 -第54回-

片雲の風の誘われて  -異形の旅へ-


「手長足長」   山梨県北杜市白州町下教来石

300_手長足長 山梨県
手長足長 / 山梨県北杜市白州町下教来石・諏訪神社   ※通常非公開


手長足長は「手足が異常に長い巨人」の妖怪です。

二体は夫婦、兄弟ともいわれる。

旅人を襲って食べたり、悪天候を起こしたりと悪者として知られる一方、信州や甲州などでは諏訪明神の家来とされ手長足長を祀る神社が存在し、神社彫刻にもその姿がある。

また不老長寿の神仙としての伝承もある。

その異様な姿から、江戸期には国芳や北斎が描いている。

ともあれ独創的な姿には不思議な魅力がある。



写真・文  宮本和義

昔町百景 -第53回-

片雲の風に誘われて   -異形の旅へ-


「沢蔵司稲荷の僧」  東京都文京区小石川3丁目


300_僧・小石川m/慈眼院 沢蔵司稲荷
沢蔵司稲荷の僧  /  東京都文京区小石川3丁目・慈眼院 

造立 寛文9年(1669/江戸中期)


慈眼院は伝通院の別当寺で隣接地にある。

昔、伝通院の学寮僧に沢蔵司という僧がいて僅か3年で宗義を極めた。

或る日、学寮長の夢に現れて「・・長く伝通院を守護して恩に報いる」と告げて消えた。

そこで伝通院の住職は境内に沢蔵司稲荷を祀ったという。

この像は錫杖を持っているので地蔵のようだが沢蔵司ではないかと思えるが、

それはともかく、この思い切った造作に拍手喝采の快作である。


写真・文 宮本和義

昔町百景 -第52回-

片雲の風に誘われて    -異形の旅へ-


「東京の馬頭観音二題」   練馬区早宮 ・ 板橋区西台


馬頭観音・東京都2211
右: 僧形馬頭 / 練馬区早宮  ★区指定文化財
左: 分去れの馬頭観音 / 板橋区西台



◉ 「僧形馬頭」(写真 右)    練馬区早宮  ★区指定文化財

人身馬頭の珍しい馬頭観音である。

文政6年(1823)造立、施主は三河屋安次郎。

像高44cm。

馬頭観音は馬の神格化から生まれたものといわれ、本来は人身馬頭の姿で馬頭明王と呼ばれる。

日本にはその姿はなく、多分唯一無二の尊像だろう。 

一部破損修繕が見られ惜しまれる。 写真 右



◉「分去れの馬頭観音」(写真 左)   板橋区西台

この三面馬頭観音は分去れ(二股分岐)に小堂内にいる。

堂内のためか寛政2年(1790/江戸後期)造立にも拘わらず非常に綺麗である。

都内の三面馬頭観音は少なく、彩色となるとさらに稀である。

憤怒の表情だが類型的ではなく、極めて個性的溢れる顔である。




写真・文  宮本和義

昔町百景 -第51回-

片雲の風に誘われて   -異形の旅へ-


「 身代わり地蔵 」    神奈川県鎌倉市大町

300_身代わり地蔵・鎌倉市安養院041007身代わり地蔵 /  神奈川県鎌倉市大町 ・ 安養院田代寺



浄土宗。山号は祇園山。

千手観音(田代観音)を安置し鎌倉三十三箇所第三番札所。

腕枕で寝ている地蔵は「身代わり地蔵」で、地蔵は体の病気の人の代わりになって寝てくれたり、地蔵の体を撫でると病気が治るなどの御利益があるという。

布団をかぶって腕枕する珍しい寝地蔵。



写真・文 宮本和義

昔町百景 -第50回-

片雲の風に誘われて   -異形の旅へ-


「しばられお春」    神奈川県鎌倉市材木座


300_しばられお春・鎌倉 五所神社1210しばられお春 / 神奈川県鎌倉市材木座 ・ 五所神社


かくれキリシタンの受難像だといわれる。

もともとこの神社にあったものではないようだ。

20cmほどの手のひらに乗るような小さな石像である。


後ろ手に縛られ、髪派は単純に束ねられ、着物の襟は左前なことは死装束であることを物語る。

着物は細い紐のようなもので結ばれている。

囚人は荒縄が多いが縄ではない。

この女の処刑を見ていた者が憐れんで彫った像だろうか。

春という名はどこかに記されていたのか、真実は不祥である。


彫像年は天和4年(1684/江戸前期)である。

憂いを帯びた悲しい像だが表現力溢れる彫像である。

同じような像が石川県金沢市にもあるという。



写真・文 宮本和義


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